店舗そのものが見えないなどは致命的な欠点となります。
また、ビルの上の階は、自然に客が入店するということはきわめて少なくなります。
独立店舗はそのほとんどが通りに面し、一階、あるいは二、三階建てで、一階の商品が歩きながら見えるので非常に有利です。
独立の建物で、単独の商店が営業しているのが単独店舗です。
これに対し、一つの棟の建物の中に二店あるいは三店以上一〇店、二〇店と共同して営業しているのが共同店舗です。
木造の単独店舗を建て替えるとき、隣の店と二店で一棟の建物をつくり、境界線は金属板をはめ込んでわかるようにし、広い店として二店が使い繁盛している例があります。
靴店と鞄店、文房具店と書籍店などは二店の共同店舗としては成功しやすい業種です。
次に三店以上では、鮮魚店、青果物店、精肉店、日用雑貨店などは、最寄品業種で毎日のように買物に来る業種ですから、ワンストアーショッピングとして便利なマーケットになり繁盛します。
さらにこのような最寄品業種に買回品業種も加え、四階、五階までの大きな共同店舗をつくる場合もあります。
大型店の出店する地区で、それに対処するための共同の力としての共同店舗です。
これは、出店する業種を決め、それぞれどの階のどこに位置し、品種構成、価格構成そして広告宣伝、販売促進等を、一つの方針に従って行います。
あたかも一つの企業のように、よく考えられた営業活動を展開します。
そうしないと各店パラパラとなり、共同店舗そのものへの客の入りが落ちてくるのです。
たとえば、紳士用品店が、同じ共同店舗内の婦人用品店がよく売れているようだというので勝手に婦人用品店に変わってしまったとすると、その共同店舗内に紳士用品店がなくなり、当初の、業種をそろえるという方針が破綻してしまいます。
ショッピングセンター−基調の考え方は共同店舗と同じです。
業種構成を守ること、よく考えられた品揃え、価格等で一つの企業のような営業を展開します。
ショッピングセンターの所有主は共同店舗と違い、多くの場合、別人です。
そして、賃借料も固定家賃ではなく、固定家賃と売上比例による分との併用になっている例があります。
売り上げがふえると家賃もふえていく計算です。
もちろん店に残る利益も多いので、損をするわけではありません。
ショッピングセンターは、場所にもよりますが、共同の駐車場や催事場をもったり、あるいは客集めのための共同事業を行うことがあります。
そのための費用もテナントが分担します。
テナント(入居者)は相当に努力して売ることが要請されます。
駅ビルも一種のショッピングセンターです。
人口のどんどんふえる地区、乗降客の多い駅等は売り上げもふえる傾向があります。
駅ビルでも買回品種中心、食料品中心、そして土産物中心の観光地に見られる駅ビル等があります。
中には食堂・レストラン中心のところもみられます。
それぞれが周辺の商店街、大型店等とは別の特徴をもち、多くの客が集まり、売上高がふえれば申し分ありません。
ショッピングセンター、駅ビル、共同ビル等はその建物そのものへ多くの客を集めるよう企画しているわけですが、中の店の区割りによっては差が見られます。
エスカレーターを上った正面、エレベーターの前などは客の目について、よく売れるところですが、エスカレーターの裏になると店頭を歩く客足はどうしても落ちる傾向を示します。
そこで、二階が通りからよく見えるようにガラス張りにするなどの方法がとられます。
地下は見えませんから、地下への階段入口に、大きめのショーケースを置く、階段を楽しく下りられるように商品やポスター、写真、POPで飾る、照明を明るくするようにします。
単独店舗で一階が果物で、二階がパーラー、そして地下が小料理などという例などもよく見られる例です。
自己所有の店舗の場合は改造等は意のままにできますが、賃借の場合はいろいろと制約があります。
契約のときには、業種を決め、その業種に合致した面積、場所、位置等であることを確かめることが必要です。
面積はよくても柱が非常にじゃまになり店を二分した格好になるという例もあります。
また賃借のときは、あとでこまらないよう、余裕のある資金計画をしっかり立てることが大切です。
店舗を決めたら、次はどのように店内を設計するかが大事です。
客が入りにくい店、店内が歩きにくい店、商品を選びにくい店、照明が暗い店はこまります。
店の側としても、陳列しにくいケース、棚、奥行、倉庫からの商品の運搬がやりにくい出入口、掃除しにくい通路、電球のとりかえに手間がかかりすぎる照明、客の手が商品に届かないケース等の配置、客の数・売上高の割には人手のかかる店等は再考の余地があります。
そこで次のようなポイントが考えられます。
・ 店内レイアウト・陳列等 入店しやすい店内の構成、通路幅、ケースの配置、陳列方法等があります。
・ 入口から見て、タテの通路幅に対しヨコの通路はやや広い方が曲りやすいものです。
・ 奥のヨコの通路はタテの通路の二〇%ぐらい広くすると回りやすいものです。
・ 主通路幅は二人がぶつからないで通れるぐらいが適当です。
・ 入口から奥正面までまっすぐのケースの線は入店客の気持を固くします。
真中や奥に凹凸をつくるなどして変化をつけ、入店しやすい店舗にします。
・ 入口と店の四隅の照明は二〇%ぐらい明るさを増します。
・ 天井のめだつ店は入りにくいといいます。
POPやその他の装飾によって飾るようにし ます。
・ 商品は使用感に近い陳列ほど客は選びやすく、購買意欲をそそります。
たとえばシャツなどは、広げてマネキン等にかけると、ビュール袋に入っているより客の気持、欲求に近づいてきます。
・ 代表的な品種や、客の検討要因(シャツなどの襟)がはっきりわかるように展示します。
要は狭い店内を有効に使うため、扱い商品に強弱をつけ効果をあげることです。
印 客の目につく高さは、客の目から俯角約六〇度のところといいます。
一五〇センチメートルの目の高さであれば一メートルぐらいのところでしょう。
そこへ、よく売れる商品を 陳列します。
・ ひんぱんには売れないがないとこまるような商品は、「特品コーナー」を作ったり、奥 に一カ所にまとめて陳列します。
・ 高級品は、コーナーを作ったり、陳列品や陳列ケース台を一段上げます。
また、スポット照明等をあて、注目を集めるよう工夫をします。
POPやショーカードも有効な手段です。
品種ごとに上部に表示をし、入店客に遠くからでもすぐにわかるようにします。
折込チラシなどに掲載した商品、価格などは、すぐにわかるように入口付近に案内板、ビラ等で示します。
・ 看板、店内、チラシ、DM広告等に使用する店名書体はもちろん統一したものを用いま す。
・ 店内、広告、自動車等の色は基調になる色彩を決めておき、それを使います。
統一した イメージで客に好印象を与えます。
・ サイズがいろいろある商品(たとえば白いワイシャツ)、よく数量のでる商品(靴下、 ハンカチ等)は、店内に全品陳列することなく、奥や倉庫に入れておき、注文に応じ店内に出すようにします。
また、業種により、次のような配慮が大切です。
人服店……とくに店頭の印象が大切な業種ですから、ガラス面を広く高くとり、中の商品からよく見えるようにします。
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